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サイトにUPする力が余ってないので、続きからSS。
すません、うpるかどうか超悩んだものなので、出来は良くない。

寝なきゃいけないので、また夜にでも日記書きにきます。

とりあえずパステル誕生日おめでとう!
そいやパステルが誕生日って事は、結婚記念日なんだぜ!
(ここ数年、パス誕>結婚記念日になってる事に気がついた笑)


+ + + + + + + + + +






「起きてー!朝だよーーー!」

分かっちゃいたけど、こうやって叫んでもやっぱり起きてくれないのは、我がパーティ一寝起きの悪い盗賊のトラップである。
実際、うんともすんとも言わないもんね。

「ったく、ほんとにあなた盗賊なの?」

言いながらトラップが寝ているベッドに腰掛けてみる。
顔を覗き込むと、なんとも幸せそうな顔で寝ているではないか。
ここまでぐっすり眠れるなんて、ある意味羨ましい。

ベッドに座ったまま、そんな事を思いつつ、わざと音が出るようにと荒々しく部屋のカーテンを開けてやる。
と同時に、明るい光が部屋の中に入り込んできて、そのあまりの眩しさにぎゅっと目を閉じる事になってしまった。
でも次の瞬間、背後に何やら気配がして。
目を開けると、再び目の前が薄暗くなっていた。


頭のとっぺんから毛布を被されたという事に気付いたのは、数秒経ってから。
かぶったまま振り返ると、トラップも同じ毛布の中、うっすらと目を開けていて。
起きてたんじゃんと思いながら、「なに?」と聞いてみる。
「まぶし・・・」
と小さく呟くトラップは、ルーミィが寝ている時によくそうする様に、体を丸くした。
「あのね、ご飯出来てるの。片付け面倒なんだから、皆と一緒に食べちゃってよ」
言いながら被された毛布を剥ごうとしたんだけど、どこをどう押さえてるのか、剥ぐに剥げない。
「もー、なに・・・」
言いかけて、口を噤んでしまった。
寝ぼけているはずのトラップが、寝起きとは言えないような目をして、じぃっとわたしを見つめているからだ。
しかし、すぐにはーっと大きな溜め息。
続けて、
「もうすこし、色気のある起こし方とかないのかねぇ?」
と言うではないか。
トラップなんかに、色気なんて出してもねぇ?と言いかけて、やっぱりやめた。
まーた無駄な争いが始まるに違いないもの。
その代わりに・・・なんて言ったらなんだけど。

毛布の中で、がばっとトラップに覆いかぶさってやった。
そうしておいて、
「起きてよ・・・?」
と、呟いてみる。

毛布の中だし、覆いかぶさってるからその表情は分からないけれど。
ものすごく驚いているのか、見事に体を硬直させてるのだけは分かった。

してやったり。

ニヤリと笑っていると、突然、毛布の外へと追い出された。
・・・というより、毛布をかぶったままのトラップが物凄い勢いで転がって・・・そのままベッドから落ちてしまったと言った方が正しいか。

ベッドの上から、落ちてしまったトラップを覗き込むのと、トラップの
「お、お、おまっ・・・!ば、ばばば、ばっかじゃねえの!!?」
という叫ぶのがほぼ同時。
「あら、失礼ね。こうして欲しかったんじゃないの?」
思わず口を尖らせて言うと、途端にトラップは黙ってしまった。

毛布を頭からまとったまま、ゆっくりとベッドの淵に寄り掛かるトラップは、まるで幽霊のよう。
今ので、何も言い返す気力はなくなったらしい。

ま、これで嫌でも目が覚めただろう。
笑いを堪えながら、わたしは「よいしょ」とベッドから飛び降りた。
幽霊トラップを横目に、歩き出そうとするとそのトラップに腕を取られてしまった。
そんな状態で、よくわたしの居場所が分かったな、さすがは盗賊。
なんて妙に感心しながらも、「なに?」と聞いてみる。
すると、今度は反対側の手が伸びてきて・・・
ポンと手の平の上に何かを置いた。

なんだろ?と思い、見てみると、銀色の袋。
赤と白の可愛らしいストライプのリボンまでついていて。
「これ、なに?」
もう一度訪ねると、トラップは毛布をかぶったまま俯いてしまった。
よほど、さっきのが効いたのかな?なんて思っていると。

「・・・おれの誕生日の時は、覚えとけよ」
と、小さく呟いた。
へ?なんでトラップの誕生日?
と思った瞬間、思い出した。
今日って、わたしの誕生日だっけ。
って、事は、これってわたしへのプレゼントってわけ?
「あはははは!うん、ちゃんと覚えとく!」
笑いながら、続けて「ありがと!」と言うと、トラップはまるで心外とでもいったように、
「そういう事じゃねぇ・・・っ!」
と力なく呟いて、小さく舌打ちする。
その様子がおかしくて、可愛くて、思わず毛布の上から頭をぐいぐいと撫でてやると、触るんじゃねえ!と振り払われた。

その時、チラリと見えてしまったんだよね。

物凄く照れたような、トラップの表情を。
毛布のせいで陰っていたけれど、真っ赤になったトラップの顔を。

その顔はすぐに隠されちゃったけれど、こうなると、こっちまで照れてくるよね。

妙にドキドキしながらもう一度お礼を言って、ついでにもう一度「早くご飯食べてよね」と言って、そそくさと部屋から出る。



部屋から出て、銀色の包みのリボンに手をかける。
なんだか楽しみが減るようで、もったいない気もしたけれど、一体何が入っているんだろう?なんて気になって気になって。

開けてみると、クッキーらしきものだった。
・・・クッキーらしきもの、って思ったのは、ぐちゃぐちゃに割れていたからなんだけど。
なあんだ、クッキーかぁ・・・なんて、もしかしたら周りの皆は言うかもしれないけれど、これってエベリンの有名なお菓子屋さんのクッキーだったんだよね。
冒険時代にはもちろん、ほかの雑誌にも載ってるくらいの、今大人気のクッキー。
以前から、ずーーーっと食べたいと言って、実際エベリンに行ったときに、店の前に並んだ事もあった。
その時は残念ながら売り切れてしまって、食べられなかったんだけどね。

そんなものを、どうやって手に入れたんだろ?

そう思いながら、一口頬張る。
思ったよりさくっとしたそれは、甘くて、なのに飽きが来なくて、もう一つ・・・なんてつい手が伸びてしまう。


ぐちゃぐちゃに割れたクッキーは、きっとトラップがあの時寝転がったからだろうな。
・・・って事は、昨晩からずーっと身につけていたわけ?
もしかして、こういう事に関して鋭いルーミィに気付かれないように・・・?

そう思うと、可笑しくて可笑しくて。

笑いながら食べてしまったからか、激しくむせてしまった。
とんとんとん、と胸を叩いていると、
「食い意地張りすぎだっつーの」
という呟きが後ろから聞こえてきた。
むせながら振り返ると、トラップが立っていて。

「だって、これ。ずっと食べたかったクッキーだったんだもん」
「そうかい、そりゃあ良かったな」
と言いながら、わたしの横を通り過ぎて行く。
その背中を追いかけながら、
「おめでとうは?」
と、笑いながら意地悪く言ってみる。
すると、すぐに、
「誰が言うか、あんな事したやつに対して」
と意地悪が返ってきた。

んもう。
一言くらい言ってくれてもいいのに。
そんな事を思いながら、
「そんなに悪かった?」
と尋ねてみると。

「あー、悪かったね。かなり」

不機嫌そうにそう言うと、彼は続けて
「・・・心臓に」
と言った。

階段を下りて行くトラップを見ながら、わたしはもう一度笑ってしまった。

今度は間違いない。

確実に照れているトラップは、見ているこっちが驚いてしまうほど耳を酷く真っ赤にさせていた。

―――トラップの誕生日、楽しみだな・・・
何をプレゼントしようか。
すっごく驚かせたいな。
そして、すっごく喜んで欲しいな。

まだまだ先の事なのに、妙にワクワクしながら、未だ照れて振り向きもしないトラップの背中を追いかける。

今、その背中に飛びついたら、更に照れるのだろうか。

―――さすがに、怒るかな?




―――それとも・・・・・・・・・・






END

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